査定の基礎知識

買取契約後に査定額を減額される理由とは?

事故車の買取り契約が成立し、事故車を買取業者に引き渡した後、売買代金の支払いを待っている段階で、突然買取業者から売買代金の減額を求められることがあります。

契約成立後に代金の減額が求められるケースについて解説します。

自動車買取の流れ

自動車を売却する場合には、まず、中古車買取業者に自動車の買取査定を依頼します。

それに基づいて、業者が買取査定を行います。

査定額について、ユーザーと買取業者の双方が合意した場合には、売買成立となり、契約書にサインを行います。

契約が成立すると、ユーザーが自動車を買取業者に引き渡し、買取業者が代金を支払って、自動車の買取りは終了します。

最後の代金支払いは、ユーザーの自動車の引渡しと同時に行われる場合もありますが、一般的には、引渡し後に、ユーザーの口座に対する振込によって支払われます。

契約成立後に売却代金の減額が求められる理由

ディーラー
さて、契約後に売買代金の減額が求められるケースは、たいていの場合、自動車の代金が自動車の引渡し後に行われる場合で、自動車の引渡し後代金の支払い前に、買取業者の方から支払代金の減額を要求してくること場合です。

そして、そのような減額が要求される最大の理由は、修復歴の見落としです。

修復歴があると、自動車の査定額は修復歴がないとした場合の70%~80%程度になると言われています。

よって、修復歴のある自動車を修復歴無しとして査定をしてしまった場合、本来の金額より25%~43%程度高い金額で査定してしまったことになります。

契約成立後の買取金額の減額を求められた場合、どう対処すれば良いか?

車のイメージ
民法では売買について次のように規定しています。

売買の目的物に隠れた瑕疵(欠陥)がある場合、買主がこれを知らず、かつ、その欠陥のために契約の目的を達成できないときは、買主は契約を解除できる、契約を解除できない場合には、損害賠償の請求ができる

よって、ユーザーが売却した自動車に修復歴があるにもかかわらず、査定する者が修復歴を見逃して査定を行い、後からその修復歴を発見して売買代金の減額を求める行為は、売買の目的物に隠れた瑕疵があり、かつ、買主が契約を解除できないので、損害賠償を請求する場合に該当するかに見えます。

しかし、査定業界団体においては、修復歴の有無は民法上の隠れた瑕疵に該当しないという見解を示しています。

よって、基本的には、修復歴のある自動車を修復歴無しと誤診して査定を行った買取業者が、瑕疵に関する民法の規定を利用して、売買代金の減額を求めることはできません。

そのようなケースで、売買代金の減額を要求された場合には、業界団体の上記の見解を盾にして、「減額要求には応じられない」とはっきり断って差し支えありません。

プロである査定士には、ユーザーの申告とは無関係に、修復歴がある場合にはそれを発見する義務が課せられています。

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トラブル回避のためには修復歴の申告が必須

法律上は、修復歴がある自動車を査定に出す場合には、ユーザー側から修復歴の有無を申告する義務はありません。

しかし、新車から売却まで買い換えずに自動車を乗り続けたユーザーのような場合には、修復歴があるかないかは把握しておりますので、査定の際に査定士に申告をすると、トラブル回避に役立ちます。

ただし、中古車として購入した自動車を売却する場合には、売却前に修理があったかどうかが分かりませんので、その場合には、自分の所有期間に修理した場合を除いて、修復歴の申告は不要です。

買取業者の契約成立後の代金減額請求が認められる場合とは?

買取業者から「査定の段階で査定士が修復歴を見逃して査定を行い、後から修復歴が発見されたので代金を減額してほしい」という要求があっても、原則的には拒否できます。

しかし、売主側に重大な瑕疵があった場合、または、通常の査定方法では修復歴を発見することが困難であると認められる場合には、買取業者の代金減額請求が認められる場合があります。

売主が修復歴があることを把握しておきながら、査定時にそれを査定士に申告しないことが、直ちに売主の重大な瑕疵となることはありません。

おそらく悪質な修復歴の隠ぺい工作があった場合がこれに該当すると考えられます。

しかし、この規定に配慮して、修復歴を把握している場合には、一応は査定士に申告した方が無難です。